オーガスチンとマルコの家

勤務している高崎聖オーガスチン教会や新町聖マルコ教会の情報やキリスト教文化や信仰などの話題を掲載します。

「スリー・グレイセスに思う」

 前々回のブログで、「世俗の中に聖なるものを見出す」ということを述べましたが、そのことで思い浮かぶことの一つに「スリー・グレイセス」のことが挙げられます。
 「スリー・グレイセス」はご存知ですか? 私より上の世代には馴染みのある女性3人組のコーラスグループです。昭和30年代後半には、テレビにもよく出ていて紅白歌合戦にも2回出場しています。「三時のあなた」や「イレブンPM」のオープニング、魔法使いサリーの主題歌等でも知られていますが、一番は「山のロザリア」ではないでしょうか? この曲は当時の歌声喫茶のブームにも乗ってミリオンセラーを記録したそうです。
 スリー・グレイセスの「山のロザリア」は、このyoutubeで聞くことができます。 https://www.youtube.com/watch?v=HS7toV_A9r4
 また、彼女たちの「魔法使いサリーの主題歌」映像は下のyoutubeで見ることができます。https://www.youtube.com/watch?v=OnnmT8D6a8w&list=PL8vT7DHeojyveI1a7j_R3gzzFUem6DN2M&index=44
 きれいな息の合ったハーモニーを聞くことができます。なお、私は彼女たちの歌を最近購入したこのCDで聞いています。

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   「スリー・グレイセス」の3人のメンバー全員かキリスト者カトリック信者)であり、グループのネーミングも神の恩恵(グレイセス)からとったことはあまり、知られていないかもしれません。次のアドレスの昭和39年のカトリック京都教区時報の「心のともしび」チャリティー・ショーの記事にそのことが記されています。 http://www.kyoto.catholic.jp/new/backno/024.pdf
 前述した彼女たちのベスト盤に「生きるよろこび」という曲があります。作詞:三浦康照/作曲・編曲:古関裕而でした。歌詞はこうです。

「碧く澄し空に 今日も祈る 生きるよろこび
 雨風に打たれても 我は進む
 清らかに 湧きいずる マリアの愛の泉を求めて

 いつもやさし ひとみ 悲しいときも 苦しいときも
 父母のやさしさで 我を抱く
 暖かく 湧きいずる マリアの愛の泉を汲みて

 天地のつづく限り 清らかに湧きいずる マリアの愛の泉
 汲めどつきせぬ マリアの愛の泉」

 カトリック信者の面目躍如たるマリアへの賛歌と言えます。シングルのA面がこの曲でB面は「マリアさまとイエズさま」でした。
 スリー・クレイセスは世俗の中で聖なるものを現出させていたのだと思います。
 彼女たちのキリスト者としての思いは2003年に発表された「ラブ・イン・グレイス」というアルバムに示されています。子育てを終え再結成し録音されました。

 

 

 

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 このアルバムには、「山のロザリア」の新アレンジの他、メンバーの姉妹のルーツ(祖父がアイルランド人)であるアイルランドに関する音楽や有名な聖歌・讃美歌(シューベルトのアベマリアや「主よみもとに近づかん」)が収められています。清らかなハーモニーとゴスペルフィーリング溢れる音楽に心が癒されます。次のアドレスで試聴することができます。 https://web-cache.chocomaru.com/pc5/jplayer_ssl.html?QT673&%7Euv%3F7%60qv7%3F&EJ666%3F%3F60%3F&5&nrrvu%3C%29%29riqct%28lv%29orck%297671057%29Jipc+oh+Atgec&70764%3F5647

 「スリー・グレイセス」は神様の恩寵をこの世界に表すために結成され、世俗の中で聖なるものを表現しました。メディアでカトリック信者であることを表明することはなかったように思いますが、結果として残された音楽で神の恩寵(グレイス)を表したと考えます。ぜひこの機会に彼女たちの音楽に親しみ、そしてその奥にあるグレイス(恵み)に気づいていただけたら嬉しいです。
  このように、世俗の中にある聖なるものにもっと気づきたいと思います。