クリスマスイブ(降誕日前夕)の礼拝 『羊飼いたちの礼拝』
本日はクリスマスイブ。夕方5時から、高崎の教会で「降誕日前夕の礼拝」を捧げました。今年は新型コロナウィルス感染症対策のため、例年より規模を縮小し、祈祷書に則った「夕の礼拝」を行いました。
聖書箇所は、イザヤ書52:7-10とルカによる福音書2:1-20。説教では、救い主の降臨を最初に告げられたのが羊飼いであることを中心に思い巡らしました。最後は自由祈祷で祈りました。
『羊飼いたちの礼拝』
<説教>
父と子と聖霊の御名によって。アーメン
クリスマスおめでとうございます。
神様がクリスマスイブ(降誕日前夕)の礼拝に招いてくださったので、私たちは今ここにおります。今年は新型コロナウィルス感染症対策のため、例年より規模を縮小し、祈祷書に則った「夕の礼拝」を行うことにしました。
クリスマスとは何でしょうか? それは、イエス・キリストの来臨(降誕)を祝う祭です。私たちは今、イエス様がこの世界に来てくださったことを皆さんでお祝いしています。今は12月24日、クリスマスの前夕、イブですが、ユダヤでは日没と共に新しい日が始まりますので、もう25日、クリスマスなのであります。
クリスマスとは何でしょうか? それは、Christ-mas、キリストのミサ、キリスト礼拝という意味です。
では、礼拝とは何でしょうか? 礼拝は、神様に感謝し神様を賛美する祭儀、お祭りです。神様、ありがとうございます、神様をほめたたえます、ということです。
本日の福音書箇所は別紙の聖書日課の5ページ、ルカによる福音書の2章1節から20節までです。
この箇所で記された、イエス様誕生の知らせを最初に聴いたのはどんな人だったでしょうか?・・・それは羊飼いたちでした。
当時の羊飼いは、ユダヤ人社会の中では、律法に定められた生活習慣を守ることもできない汚れた罪人であり、周りの人からはとても低く見られていました。つまり、神様にも人間にも見捨てられた人々ということです。
しかし、羊飼いたちは、神様が救い主を送ってくださるということを信じ待ち続けていました。救い主であるイエス様誕生の知らせを真っ先に受けたのはこの人たちだったのです。天使が近づき、彼らにこう言っています。「今日ダビデの町に、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。(ルカ福音書2:11)」」と。さらにこの天使に天の大軍が加わり、神を賛美して「いと高き所には栄光、神にあれ/地には平和、御心に適う人にあれ。(14節)」と言いました。この言葉の前半の「いと高き所には栄光、神にあれ」は、先ほど歌った聖歌第91番「荒野の果てに」の「おりかえし」のラテン語「グロリア イン エクセルシス デオ」を訳したものです。
最も低く神にも人にも見捨てられたという人々のために救い主はこの世界に来られました。この時の羊飼いたちの思いを想像してみます。「どうせ自分たちは神にも人にも見捨てられた半端者だ」と人生に対して投げやりになっていたかも知れません。しかし、天使は羊飼いたちに「今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。」と告げ、羊飼いたちがダビデの町(ベツレヘム)に行ってみると天使の言うとおりだったのです。羊飼いたちはこのように思ったのではないでしょうか?
「神様は私たちを見捨ててはおかれなかった。神様は私たちに目を掛けてくださっている。私たちは生きるに値する存在なのだ。」・・・
皆さん、神様は貧しく小さくされた人々に温かいまなざしを向けておられます。クリスマスの時に、このことに思いをはせたいと思います。そして、イエス様の誕生を目撃した羊飼いたちは「神を崇め、賛美しながら帰って行った」ことにも注目したいと思います。神様から特別に目をかけられて貧しい羊飼いたちは、イエス様こそ罪の暗闇から救って下さる方であることを周りの人々に伝えたのでした。
私たちも心に暗闇を抱える貧しい者です。その私たちにも神様は温かなまなざしを向けておられます。そして光としてイエス様をこの世に派遣されました。そのことを覚え、神様の大きな愛に応えて、主を崇め賛美して日々を過ごすことができるよう祈り求めたいと思います。
一言、お祈りいたします。
「父なる神様、クリスマスイブの夕の礼拝に私たちをお招きくださりありがとうございます。この日、あなたはご自分の独り子であるイエス様をこの世界に生まれさせてくださいました。
あなたは、救い主であるイエス様誕生の喜びの知らせを、周りの人から低く見られていた羊飼いたちに最初に伝えられました。それはイエス様が、すべての人、特に貧しく小さくされた人たちのためにこの世に来られたことを示すためでした。
主よ、私たちが日々の生活の中でイエス様から愛され、温かいまなざしを向けられていることを実感できますように。また、あの羊飼いたちのように、主をあがめ賛美して日々を過ごすことができますよう、お祈りいたします。
本日、様々な事情で礼拝に預かれなかった人々にもあなたが祝福してくださいますように。クリスマスイブのこの夜、病の床にある人々、寂しくつらい思いをしている人々はじめ、すべての人々にあなたが目を留め、恵みをお与えくださいますように。
これらの感謝と祈りを私たちの主イエス・キリストによって御前にお捧げいたします。アーメン」