オーガスチンとマルコの家

勤務している高崎聖オーガスチン教会や新町聖マルコ教会の情報やキリスト教文化や信仰などの話題を掲載します。

朝ドラ「エール」の教会と私たちの教会

    NHK朝の連続テレビ小説「エール」で、川俣にある教会として登場する教会、実は福島聖ステパノ教会で撮影されています。5月6日(水)の放送回では、祐一と音がここで再会する重要な場所として登場しました。

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    ここの教会聖堂の内部が私たちの高崎聖オーガスチン教会とよく似ています。インターネットで探すと福島聖ステパノ教会で次の画像がありました。

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 本当によく似ています。下に高崎聖オーガスチン教会聖堂内部を示します。

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 まるで双子のようです。設計者が同じなのでしょうか? 調べてみると福島聖ステパノ教会の設計者はJ.M.ガーディナーで、竣工年は1905(明治38)年とありました。私たちの高崎の設計者は不詳ですが、前々回のブログで紹介した学生さんの卒業論文では上林敬吉の可能性が高いとのことでした。上林はガーディナーの事務所に勤め、その後独立しましたので、ガーディナーの弟子と言えます。ちなみに高崎の教会の竣工年は1929(昭和4)年、福島の教会の25年後です。福島と高崎の教会は師弟によって建てられた教会と言えるかもしれません。
 福島と高崎、東北と北関東の教会の聖堂が似ているのは、今は別の教区ですが、以前は同じ北東京地方部で同じ主教の下にあったからでもあると考えられます。特にマキム主教在任の時に北東京地方部では多くの教会が建設され、どの聖堂も祈りにふさわしい荘厳なものと言えます。
 北東京地方部は1896(明治29)年に確立され、その初代主教がジョン・マキム師であり、師は40年余りにわたり北東京地方部主教として、力を尽くしました。マキム主教在任中に落成、聖別された教会の聖堂は立派なものが多く、これはおもに米国ミッションの厚意によるものです。それはマキム主教の、最善のものを神に捧げようという意図の現れであると考えられます。
 この静謐な聖堂で多くの人が祈りを捧げ、神と出会ってきました。この神と先人からの賜物を大切にし、教会が多くの人の心の拠り所となるよう祈り求めて参ります。